今週はクライアントや会社の上司・先輩・同僚の来英ラッシュ。毎日昼夜問わず一日中誰かにアテンドし、もうくたびれきりました。さすがに土曜日は台所に立つ気力がなく、胃袋も脂っこいものを受け付ける元気がなかったので、前から気になっていた地元の回転寿司チェーン店「YO! Sushi」に行ってみることにしました。イギリス国内に37店舗、アイルランド、ロシア、マレーシア、そしてUAEまでに展開している大チェーンです。
店内は日本の回転寿司屋の造りとほとんど変わりません。色分けされた皿に乗った寿司が流れるベルトコンベヤーの手前がカウンターで、各席の前に醤油、ガリ、ワサビ、箸、醤油皿、紙ナプキンが置かれ、そしてお茶ではなく水とスパークリングウォーターの給水口が設置されています。ベルトコンベヤーの向こう側には板前さんが立ちます。システムも基本的には同じ。流れているものから好きなものをとるか、流れていなかったら板前さんに注文します。食べ終わったらそれぞれの色の皿の枚数が数えられ、清算です。

なーんだ日本とほとんど一緒だ、そう思って流れている皿を物色しつつ板前さんの方に目をやると、次の瞬間、衝撃的な光景が目に留まりました。写真の左側の白い機械の排出口から次々と丁度寿司のシャリサイズにまとめられたお米が出てきて、それを板前さんがテンポよく皿の上に並べます。そして、そのシャリの上にネタをポンポンと乗せ、はい完成、だったのです。メニューには"Nigiri"とありましたが、この工程では一切握っていません。それにしても、スーパーやカフェの寿司のご飯が機械で作られているのは知っていましたが、回転とはいえ寿司屋で機械とは・・・。
ただ残念ながら、この日はこのにぎりモドキを食べることはできませんでした。閉店時間近くに行ったからかもしれませんが、別のお客さんの注文を受けた分で手巻き1個分の酢飯しか残っていないとのこと。ネタとシャリの一体感のなさを味わって酷評したかっただけに悔しかったです。仕方がないので、サーモンとアボガドの手巻き、そして、刺身3点盛り(サーモン、マグロ、ハマチ)を食べてみました。手巻きは、ちゃんと手で巻いていたからでしょう。いける。及第点です。刺身もまあまあ。ハマチはあまり脂がのっていませんでしたが、マグロもサーモンも美味しかったです。あ、下に敷かれていたのはダイコンのツマではなく、スライスされたタマネギでした。
板前のお兄ちゃんに寿司屋で米を切らすなんて考えられないと少し文句を言ってみたら、次回は自分がしっかりと作るから(握らないくせに・・・)、自分のカウンターの前に座ってくれと言ってくれました。でも話を聞いてみると、彼、たった1ヶ月前にポーランドからロンドンに来たばかりで、寿司も作り始めて(握ってはいない・・・)間もないらしいのです。道理で英語も全然上手ではないわけだ。でもカメラを向けると包丁を持ってポーズをとってくれました。なかなかお茶目。少し言われたとおり次回頼んでみてもいいかなと思いました。
因みに、この2皿だけで約10£(=2,000円)。日本の回転寿司屋だとトロが食べられそうな値段です。高い・・・。でも、近い内にリベンジをして、握られていないにぎりの味についてご報告したいと思います。